パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2023年11月27日

パラバドミントン 澤田詩歩選手

女子SL4期待の新星「いつか遼さんに勝ちたい」


11月のジャパン国際で試合に臨む澤田

バーレーン2021アジアユースパラ競技大会の下肢障がいSL4クラスの女子シングルスで金メダルを獲得した澤田詩歩(ダイハツ工業)が、今季から本格的にツアーに参戦している。

2月のスペイン国際ではベスト8、5月のタイ国際では3位の成績をおさめ、10月の杭州2022アジアパラ競技大会では日本代表に選出。予選リーグを1勝1敗で突破し、準々決勝で東京2020パラリンピック(以下、東京2020大会)銀メダリストのレアニラトリ・オクティラ(インドネシア)に敗れたものの、「自分が持っている力をすべて出し切れた」と振り返る。だだ、直後のジャパン国際では準々決勝で再びレアニラトリと対戦したが、左膝の負傷により第1ゲーム終了後に棄権する苦汁をなめた。試合後、澤田は大会前の練習中にケガをして、痛みを抱えながら出場していたことを明かし、「今後に響かないように大事をとって棄権した。オクティラ選手にリベンジして、目標にしていたベスト4に入りたかった」と、涙をこらえた。

2003年生まれ、岩手県釜石市出身の19歳。先天的な両手指欠損と右脚ひざ下欠損で、2歳年上の姉の影響でバドミントンに興味を持ち、中学1年の時に部活動で競技をスタート。高校3年の時に作った競技用義足でトレーニングを開始すると、めきめきと頭角を現した。卒業後は企業のクラブチームでバドミントンを続け、今年4月からはアスリート雇用で男子SU5の今井大湧や同SL3の藤原大輔と同じダイハツ工業に所属している。

身長165センチで、高い打点から繰り出すクロスカットが澤田の武器だ。同じくカットを得意とする同クラスの東京2020大会5位の藤野遼(GA technologies)が憧れであり、目標だと話す澤田。「鋭いショットと、コートを広く使う粘り強さがすごい。自分ももっと練習をして、いつか遼さんに勝ちたい」と、言葉に力を込める。

来年2月には、タイで開催予定の世界選手権が控える。パリ2024パラリンピックを目指す選手にとっては最後のポイント獲得のチャンスとなる重要な大会だ。「ケガをしっかりと治して挑みたい」と澤田。日の丸をつけて戦う覚悟が芽生えた今季を締めくくる大会で、さらなる飛躍を目指す。

(MA SPORTS)