パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2016年5月31日

パラトライアスロンのガイド 原田雄太郎さん

「たんなるサポートではない。自分も全力で戦えるから楽しい」


中澤を優勝に導いたガイドの原田さん。「競技レベルも高く、選手だった時の経験を十分に生かせるんです」

「原田さん、ありがとうございました」

障がいの種類や程度によって分けられる5つのクラスで争った「2016ITU世界パラトライアスロン横浜大会」。男子PT5(視覚障がい)クラスで優勝した中澤隆は、フィニッシュの後、隣にいたガイドの原田雄太郎さんに深々と頭を下げた。

視覚障がい者スポーツは、選手の「目」となるガイドの存在が欠かせない。陸上競技の伴走者が足りないという話題はよく聞くが、そんな中でもスイム、バイク、ランの3種目を行う超人的なトライアスロンのガイドは、難易度が高いのではないだろうか。

中澤のガイドで元エリート選手の原田は言う。
「選手たちは目が見えないだけでパフォーマンスのレベルは高い。だからガイドも3種目しっかりできなくてはなりません。世界選手権などハイレベルな戦いにも参戦できるのも醍醐味。トライアスロンのガイドは、たんなる選手のサポートを超えて、自分も戦っているんです」

優勝を狙ったこの大会は「全力を出しつつ、ミスをしない走りを心がけたのと、バイクのパンクなどトラブルがないよう細心の注意を払いました」。

男子PT5クラスは、リオでは実施されない。原田は「東京パラリンピックのメダルを目指したい」と話す中澤と一緒に走り続けるつもりだ。

(MA SPORTS)