2016年12月27日
パラバドミントン 長島理選手
「東京パラリンピックでメダルを取り、銀座のパレードに参加したい」
シングルスでは半面のコートを使用する車椅子クラス。ひと漕ぎでシャトルの落下点に入るチェアワーク、前後の揺さぶりといった戦略的な駆け引きがこのクラスの特徴だ。今年の日本選手権男子シングルス(WH-1)でその実力を発揮し、頂点に立ったのが、長島理だ。決勝では、競技歴1年7か月ながら勝ち上がった小林幸平に貫禄のストレート勝ち。大会2連覇、通算13回目の日本一に輝いた。
「世界で勝つには、ブレない身体と持久力が必要」と長島。理想の動きを多角的に追求し、4年後を目指す。
スマッシュが少なく、ラリーが続く車椅子クラスでは、どんな体勢からでも狙ったところに打ち返すテクニックが不可欠だ。長島の武器は、正確なコントロール。だが、「世界と比べるとまだまだ」。そこで長島が取り組むのが、「動作解析」である。自身の心拍数を計測・記録し、最も効率よく動くためのデータを分析。実は長島の普段の仕事は、住宅設備機器メーカーでの研究職。その知識を活かし、どんなトレーニングが必要なのか科学的に検証しているのである。
「ゼロコンマ何秒の動きの違いが、シャトルに触れるかどうかの差になる。平行してスポーツトレーナーから効率的な鍛え方を教わったり、栄養学や免疫学も学びました」
この1年間で実際に筋肉など身体の変化は数字で表れ、また実際に漕ぎ出しのスピードが上がってきたという。長島がその先に見据えるのは、東京パラリンピックでのメダル獲得だ。
「銀座のパレードにメダリストとして参加したい。国を代表する瞬間ですから」
世界の頂点を虎視眈々と狙う国内王者の挑戦は、これからも続く。
(MA SPORTS)