パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2017年9月19日

パラバドミントン 鈴木亜弥子選手

昨年、現役復帰「東京でも、金メダルを獲るのは私」


現在、世界ランク1位。だが、「海外の強い選手が試合に出ていないだけ」と鈴木。これからも、勝負にこだわっていく。

「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2017」の立位女子SU5(上肢障がい)シングルス決勝で、鈴木亜弥子(七十七銀行)が楊秋霞(中国)を8-21、21-13、21-18で下して優勝した。

激闘だった。リードをしても、すぐに追いつかれる。一進一退の攻防が続くなか、彼女を奮い立たせたもの、それは勝利への執念だった。

「金メダルを獲るのは、私だ」

そう自分に言い聞かせて迎えた、第2ゲーム。相手がクロスに返す癖があること、バック側の処理がフォアよりも甘くなることを見抜き、1ゲーム目より相手のラウンドに深いショットを集めた。最後は相手の足が止まり、勝利を手繰り寄せた。

楊には予選でストレート負けを喫した。昨年11月のアジア選手権決勝でもフルゲームで敗れており、まさに「三度目の正直」だった。森かおりコーチは、鈴木を「試合を楽しめるタイプ」と分析し、「最後は気持ちの勝負だった。よく頑張ったと思います」と評価する。

先天的に右腕が肩から上に上がらない障がいがあるが、小学3年から健常者に交じってプレーし、インターハイ出場や全日本ジュニア選手権で2位になった実績がある。パラバドミントンでは2009年世界選手権で優勝。翌年、アジアパラ競技大会(広州)を制したのを最後に引退していたが、東京パラリンピックでパラバドミントンが採用されたことを機に、復帰を決断。それ以降、実業団チームに籍を置きながら、強化を図っている。

世界のレベルが上がるにつれ、壁にぶつかり、つらいこともある。「でも、そんな時こそ、復帰した意味を思い出すようにしているんです」

フォーカスするのは、3年後の頂点。鈴木は自分を信じ、歩みを進めていく。

(MA SPORTS)