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陸上競技 井谷俊介選手
義足スプリンターの新星「恵まれた環境に感謝」
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義足スプリンターの新星として注目を集める井谷俊介。今後の成長が楽しみだ。
7月7日~8日に正田醤油スタジアム群馬で開かれた「2018ジャパンパラ陸上競技大会」。片下腿義足T64クラスの男子100mで、井谷俊介(ネッツトヨタ東京)が12秒01で2位に入った。
井谷は2016年2月、大学3年のときに事故で右脚のひざから下を切断。義足を装着して生活し、昨年11月末から陸上競技を始めた。高校時代は野球部に所属し、100mを11秒台で走っていたほど身体能力が高く、今年5月の北京グランプリでは陸上競技デビュー戦ながら、12秒91で優勝。さらに今月1日の関東パラ陸上競技選手権大会では、2戦目にしてリオパラリンピック日本代表の佐藤圭太(トヨタ自動車)を破り、優勝した。
今大会はその佐藤に敗れたが、タイムを0.04秒短縮した。急成長の理由を、「恵まれた環境にある」と井谷は言う。今年4月にネッツトヨタ東京に就職。今季は山縣亮太や福島千里らを指導するトレーナーの仲田健氏のもとでトレーニングに励む。一流スプリンターの走りを間近で見て、また山縣からは身体の使い方や食生活などについてのアドバイスをもらうこともあるといい、「素晴らしいお手本が目の前にある」と大きな刺激を受ける。
北京グランプリで右大腿部に肉離れを起こした影響で、8月までは身体づくりに注力するつもりだ。そして、狙うは9月の日本選手権でのベスト更新。「(佐藤が持つ)11秒77のアジア記録を塗り替える走りがしたいです」と意気込む。それが実現すれば、今季世界ランクトップ10入りも見えてくる。
東京パラリンピック出場とメダル獲得が目標だ。これからの2年間で、どこまで自分の走りを追求し、どんな飛躍を遂げるのか。今後の活躍に期待が高まる。
(MA SPORTS)
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