パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2018年10月12日

パラバドミントン 里見紗李奈選手

初舞台で大躍進「すべての経験を東京につなげたい」


初戦でフルゲームの接戦を制した里見。「家族や仲間たちの声援が力になった」と話す

インドネシア・ジャカルタで開かれている「インドネシア2018アジアパラ競技大会」。パラバドミントンの車いすWH1の20歳・里見紗李奈(パシフィック)が、初出場ながらシングルスの1次リーグを突破し、決勝トーナメント進出を決めた。

1次リーグは世界7位のツァン・ジン(中国)と、世界1位のプッカム・スジラット(タイ)が同組。パラバドミントン歴1年半の里見にとっては、非常に厳しい組み合わせになった。初戦のツァン戦ではゲームカウント1‐1で迎えた第3ゲーム、19-8とリードしながら8連続得点を許す。だが、最後に粘りのプレーで踏ん張り、勝利を手にした。

「憧れの選手」のプッカムとの試合は、ストレートで敗れた。相手の正確無比なショットとスピードに翻弄されたが、「打っていて楽しかった。本来なら彼女は私が上にあがらないと戦えない相手。1次リーグからこうして戦えるのは、とても貴重な経験になった」と話す。

中学の3年間はバドミントン部で汗を流した。その後、交通事故に遭い、入院中にリハビリの一環でパラバドミントンを体験。2017年5月から本格的に始めた。バドミントンの基本やラケットワークは経験を生かすことができる。だが、車いすを漕ぎながら打つ動作には苦労した。ダッシュしては止まるストップ&ゴーの練習を1日15セット行うなど、チェアワークを強化するためにひたすら努力した。

日本代表として初めて出場した今年のタイ国際では、ダブルスで準優勝。そして先月の日本国際では単複優勝と、結果を出せるようになった。里見にとって最大の目標は、2年を切った東京パラリンピックの表彰台だ。その夢舞台に近づくためにも、「アジアパラ大会では何色でもいいから、絶対にメダルがほしい」と里見。ジャカルタで経験するすべてを、さらなる成長の糧にするつもりだ。

(MA SPORTS)