パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2019年2月6日

ゴールボール 女子日本代表

強豪との対戦で見えた日本の成長と課題


初代表で世界の強豪と渡り合った萩原紀佳。17歳の今後の成長に期待がかかる

「天皇陛下御在位三十年記念2019ジャパンパラゴールボール競技大会」は、リオパラリンピック金メダルのトルコ、銅メダルのアメリカ、世界ランク1位のブラジルという女子の強豪チームを招いての4カ国対抗として行われた。世界4位の日本は決勝でトルコに0-3で敗れ、準優勝だった。

予選リーグ6戦全勝と、存在感を見せたトルコ。日本はこのトルコに2敗して予選2位となり、リベンジを誓って決勝に臨んだ。しかし、前半に立て続けに3失点したのが響き、逆襲はならず。ベテランの小宮正江は「すごく悔しい」と、唇をかんだ。

日本はトルコが予選でも見せた強力なバウンドボール対策として、センターが少し前で構える三角形のディフェンス陣形で備えた。だが、決勝で相手は逆に床を滑るように転がるグラウンダーで勝負に出た。序盤の失点は、その体に当たってからも伸びるグラウンダーに守備の間を抜かれたものだ。センターの浦田理恵は、「バウンドボールに対する意識が強すぎて、グラウンダーについていけず穴を作ってしまった」と反省を口にする。

世界のレベルは上がり続けている。そんななか、ほぼフルメンバーで挑んできた各国と対戦し、自分たちの課題が明確になったことは収穫といえる。また、新人選手の活躍にも注目が集まった。今大会が初代表の17歳・萩原紀佳は、プレッシャーがかかる予選第1試合の日本の最初の一投を決め、勝利に貢献した。決勝の終盤で途中投入された際には、止めたボールを後逸しそうになったが、身体をひねってキープした。「合宿では諦めていたボール。今回は粘ることができた。強豪国と対戦できて貴重な経験になったし、もっといろんなボールを受けて課題を克服していきたい」と、力強く話す。

ロンドンパラリンピックで金メダルを獲得し、前回リオ大会では準々決勝で敗退し、連覇を逃した日本代表。1年半後に迫った東京大会で再び輝くその瞬間に向け、盤石なチームづくりに挑戦していく。

(MA SPORTS)