パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2019年8月26日

日本パラリンピック委員会(JPC) 髙橋秀文 副委員長


「東京大会をいかに成功させ、共生社会の実現につなげていけるか、正念場を迎えている」と話す髙橋副委員長

東京2020パラリンピック開催まで25日で1年となりました。今回はコラム特別編として、日本パラリンピック委員会(JPC)の髙橋秀文副委員長に、大会の成功に向けての取り組みや期待すること等をお聞きしました。


—— パラリンピック成功への機運が高まるなか、本番までにどのような広報活動をしていく予定ですか?

パラリンピックおよびパラスポーツの認知度向上を目指し、これまで ①企業や自治体をはじめとする様々な方を対象にした講演会、②初めてパラスポーツをご覧になる方でも楽しんでいただけるように『かんたんガイド』の制作ならびに主催大会会場での解説付き実況放送、③自治体と連携して小・中学校への体験会の実施、等を行ってきました。加えて、今年度の新たな活動として、東京大会22競技のガイドパンフレットの作成や各競技の指定強化選手名鑑の刊行等を行い、「全競技会場の満員」に向けてパラスポーツのさらなるファン拡大を目指すとともに、「日本代表選手団の大活躍」の目標達成に向け、選手強化に積極的に取り組んでいきます。


—— 自国開催の東京大会をどんな大会にしたいですか?

パラリンピックは、人間の無限の可能性を最大限に引き出すとともに、障がいも個性のひとつと考え、人間一人ひとりの多様な個性が活かされる共生社会とは何かを考える重要なきっかけとなります。私は、オリンピックが「スポーツの祭典」なら、パラリンピックは共生社会の実現に向けた「社会変革の祭典」にしないといけないと考えています。


—— 日本代表選手団としては、どのような目標を掲げていますか?

「日本代表選手団の大活躍」の具体的目標としては、金メダルランキング世界7位以上を目指しています。選手の活躍に、ぜひご期待ください。


—— 2020年以降、東京大会のレガシーを継続し、パラスポーツの振興につなげるためには何が必要だとお考えですか?

私は、とくに「物心両面のバリアフリー」が重要なレガシーになると考えています。心のバリアフリーについては、パラリンピックにおける、持てる機能を最大限に活かして限界に挑戦するアスリートの姿に多くの人が感銘し、勇気を得て、障がいに対する認識が大きく変わることとなるでしょう。また、物理的なバリアフリーでは、エレベーターやスロープの増設は、障がい者や高齢者だけでなく、ベビーカーを利用する子ども連れの家族にとっても優しいものとなります。閉会式の翌朝に窓を開けた時、共生社会という新しい未来が広がっていたら素晴らしいなと思います。

(MA SPORTS)