パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2019年12月19日

ゴールボールの国際審判員 小野和人さん

「パラリンピックは私たち審判員にとっても世界最高峰の大会」


東京2020パラリンピック開幕まで8カ月。人気競技のひとつ、ゴールボールの日本代表は男女とも開催国枠で出場権を獲得している。IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)によると、東京大会に参加する国際審判員らもすでに選出されており、日本人ではレフェリーとして新居平康さん、スコアラーやタイマー(ITO/インターナショナル・テクニカル・オフィシャル)として小野和人さんのふたりが大舞台に立つ予定だ。新居さんは3度目、小野さんは初めてのパラリンピックとなる。

「引率時に初めてゴールボールを見てから、どんどんハマっていきました。こういう関わり方ができて嬉しいですね」と笑顔を見せる小野和人さん

東京観光専門学校の教員でもある小野さんがゴールボールと出会ったのは、2012年のこと。学生たちが高齢者や障害者の対応を学ぶボランティア活動の引率者として、当時の日本代表合宿を訪問したのがきっかけだという。そこで初めてプレーを見て関心を持ち、引率が終わったあとも個人的にチームの手伝いをするようになったそうだ。「そこからタイマー操作を覚えたりするうちに、審判をやってみないかと声がかかり、今に至ります」と小野さん。

16年にIBSAが認定する国際審判員資格「レベル2」を取得。国内はもとより、海外の大会に自らかけあって参加するなどし、積極的にレフェリーの経験を積んできた。今年10月には、パラリンピックの大陸予選会であるヨーロッパチャンピオンシップで試合を裁いた。東京大会の参加は、こうした努力が認められた証でもある。

「レフェリーも良い仕事ができなければ、次の大会に呼ばれなくなる厳しい世界。そういう意味でも、パラに参加するITOの9人のなかのひとり選ばれたのは非常に光栄なことです」と小野さんは語る。

ゴールボールの選手は、相手選手の足音、ボールの鈴の音など、かすかな音を頼りにプレーする。静寂の中で試合が行われるため、観客をコントロールするのも審判団の役割だ。パラリンピック開幕に備えて、今後も海外の大会などに参加し、レベル維持の努力を続けるという小野さん。東京大会では、選手はもちろん、世界の舞台で戦う審判員にもぜひ注目してほしい。

(MA SPORTS)