カヌー 瀬立モニカ選手
新シートで好タイム「パラの延期で改良可能と判断した」
パラリンピック本番を想定し、風対策としてシートを新しくした瀬立。昨年9月以来となる今季初レースで使用し、手ごたえを感じた
カヌーで東京パラリンピックの代表に内定している瀬立モニカ(江東区カヌー協会)が9日、石川県小松市で開かれたイベント「第3回全国200M競漕in木場潟カヌー競技場」に出場した。男子選手2人と競った瀬立は1着でゴール。昨年9月のテスト大会以来の実践形式のレースで、「楽しかった」と笑顔を見せた。
新型コロナウイルスの影響で国内外の大会は軒並み中止に。来年の東京パラリンピック開催に不安を覚えた時期もあったが、「今日できることを頑張ろう」と、地道にトレーニングを重ねてきた。200mのスプリント練習はこのイベントの前日に始めたばかり。それでも強い向かい風のなか、59秒85をマーク。自身の予想を超えるタイムに驚いた様子の瀬立は、「風に強いシートに改良したので、それが良かったのかも」と分析する。
新しいシートは、以前のものより硬く、漕ぐ際に腰回りをしっかりと支えてくれる。西明美コーチによると「身体より先に走ってくれる感じ」だといい、よりブレずにまっすぐ漕ぐことができる。東京パラリンピックの会場となる海の森水上競技場は波や風の影響を受けやすい。このシートはその本番を想定して作製したもので、初レースを終えた瀬立は「推進力が感じられた」と手ごたえを口にする。この精密なシートに合わせて筋力アップなどフィジカル面を強化していく必要があるが、東京パラが一年延期になったことで、挑戦可能と判断し、改良に踏み切った。
昨年12月からの沖縄県大宜味村での合宿を経て、現在はナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点でもある木場潟カヌー競技場でトレーニングを続ける。9月の日本選手権は「54秒後半から55秒前半を狙う」と瀬立。そこから1年後に向けて、じっくりと仕上げていくつもりだ。
(MA SPORTS)