パラバドミントン 梶原大暉選手
若きエース、梶原が2連覇「パラリンピックでは単複優勝を目指す」
男子車いすWH2を制した梶原大暉。さらなる成長が期待される
今季初の公式戦となった「第6回DAIHATSU日本障がい者バドミントン選手権大会」。男子車いすWH2シングルス決勝は、梶原大暉(日体大)が昨年の世界選手権の銅メダリスト渡辺敦也(アキレス)を2-0(21-10、21-14)で下し、2連覇を達成した。試合後、梶原は優勝の重みを噛みしめるように、こう振り返った。
「日本最高峰の大会なので、優勝したいと思っていた。不安も緊張もあったけれど、練習してきたことを出し切れた」
14歳で交通事故に遭い、車いす生活に。その後、パラバドミントンを始めると、肩の強さもありすぐに頭角を現した。当初は苦労したチェアワークも、持ち前のストイックさで練習を重ね、自分のものにしていった。
今春、日体大に進学。本来なら新天地での生活が始まるはずだったが、新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、入学式はリモートで開かれ、今も地元の福岡に留まりながらオンライン授業を受ける日々を送る。感染対策のため、東京での代表強化合宿の参加も見送っている。大学の先輩で男子SU5の今井大湧からは、授業と競技の両立などについてアドバイスをもらったといい、今は気持ちを切り替え、モチベーション維持に努めている。
現在は、福岡のパラバドミントンクラブやジュニアチームでの練習に励む。車いすクラスのシングルスは半面で行う分、ラリーが長くなり、それを制する戦術と忍耐力が必要になる。ジュニア選手との練習ではラリーが続くため、「その中で点数を取るにはどうしたらいいかを考えるようになった」と、新たな発見があったことを明かす。決勝戦でも渡辺の動きを冷静に分析し、精度の高いショットで追い込むなど、練習の成果を発揮した。
昨年11月、東京2020パラリンピックのテストイベントを兼ねたジャパン国際で、単複ともに銅メダルを獲得する活躍を見せた梶原。来夏の大舞台に出場すれば、世界ランク上位の中国や韓国勢と争うことが予想されるが、「焦りはないし、楽しんで勝つプレーを追求したい。目指すのは金メダル」と、力強く語る。
(MA SPORTS)