車いすラグビー Low Pointers Game
ローポインター同士の激しい攻防に注目!
3月20日から2日間にわたり、「2021ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が千葉ポートアリーナで開催され、エキシビションマッチとして「Low Pointers Game(ローポインターズゲーム)」を実施した。車いすラグビーは、障害の程度によって各選手に持ち点が設定され、コート上の4人の合計を8点以内で編成する。ローポインターズゲームは、この持ち点が0.5~1.5点の障害が重い選手のみが出場し、コート上の4人の持ち点の合計は3.5点以内というルールがある。今回は12人の選手がAとBの2チームに分かれて対戦し、33-31でチームBが勝利した。
ローポインターの選手は、主に相手の動きをブロックするためのバンパーがついた守備型の車いすを使用する。通常の試合では、相手の動きを先読みして封じたり、味方の障害の軽い選手がトライするスペースを作ったりするなど、身体を張った献身的なプレーで得点をアシストする役割を担うことが多い。一転してローポインターズゲームでは、自分でボールを運び、パスを出し、ゴールを生む獅子奮迅の活躍が求められる。この日も多彩な駆け引きから熱戦を繰り広げ、オンライン中継を観ていた人たちからは「ポジショニングが素晴らしい」「面白い」と感嘆の声があがっていた。
2022年には世界大会(アメリカ)が開かれる予定のローポインターズゲーム
試合後、チームBの岸光太郎(AXE)は「転倒や激しいぶつかり合いは少ないので迫力は減るが、その分丁寧に走ってスペースを作るよう心掛けた」と振り返った。また、チームAの関卓也(TOHOKU STORMERS)は、「(持ち点が)0.5点の自分もゴールを狙えるし、いつもと違ってパスを受ける側にもなるので、自分の意識が変わって楽しかった」と語り、笑顔を見せた。
来年にはローポインターズゲームの世界大会がアメリカで開催される予定だ。日本代表のケビン・オアーヘッドコーチは「今回はその準備の意味もあった」と明かし、「ローポインターがボールハンドリングを磨く良い機会になる。いつもと違う角度の学びは、通常のプレーに生きる」と、日本の底上げに期待を寄せていた。
(MA SPORTS)