パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2021年4月2日

車いすカーリング日本代表

北京パラへの第一関門、世界選手権に臨む日本代表


北京パラリンピック出場を目指す車いすカーリング日本代表が3月23日から27日まで、青森県のみちぎんドリームスタジアムで強化合宿を行った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で再延期となっていた世界選手権Bの開催決定(4月10日~/フィンランド)を受け開いたもので、昨年11月の選考会で選ばれた鈴木秀則(北海道)、村松由里(山梨県)、松橋春雄(青森県)、斎藤あや子(長野県)、高橋宏美(北海道)の5人が参加。また、村松と新種目のミックスダブルス世界選手権日本代表に選出されている和智浩(山梨県)が練習パートナーとして、平昌オリンピック男子日本代表の山口剛史氏が戦術面での特別アドバイザーとして加わった。

一日に複数試合をこなす世界選手権を想定し、5日間で計9回、健常者カーリングチームとの練習試合をスケジュールに組み込んだ。実戦感覚を養うのと同時に、午前と午後、使用するシートや試合の有無などで刻一刻と変化する氷の状況を把握する「アイスリーディング」力も徹底的に磨き、追い込んだ。

選抜された5人は全員が異なるチームの所属で、普段は別々に練習している。そのため、この機会に各々の投球の癖や戦術の共有と理解を一つひとつ確認する必要があり、互いに声を掛け合って積極的にコミュニケーションを図っていた姿が印象的だった。スキップの鈴木は、「それぞれ異なるチームから選抜されたメンバーだからこそ、互いの考えを言い合えるし、気づきに向き合えることもある。世界選手権で良いパフォーマンスを出し、次のステージに進めるよう頑張りたい」と意気込みを語る。

練習試合後も山口氏(写真左)のアドバイスを受けながら個人練習に取り組んだ

合宿中、選手と行動を共にし、指導を行った山口氏は、1月からオンラインでの作戦会議に参加していたといい、「当初は静かだったメンバーも、今はとても賑やか」と日本代表の印象の変化を語る。また、「日本代表のウエイトコントロールの精度は高いと感じている」と評価し、活躍に期待を寄せていた。

なお、日本代表が北京2022パラリンピックに出場するためには、まずは10カ国が参加する世界選手権Bで3位以内に入り、次回の世界選手権(日程未定)の出場権を獲得したうえで、その世界選手権で上位12位以内(過去2大会との合計ポイント)に残っていることが条件となる。

(MA SPORTS)