アジアパラリンピック委員会理事 安岡由恵(日本パラリンピック委員会事務局 ムーブメント推進課長)
AsPC新理事の安岡課長「各国との架け橋に」
AsPCの理事に就任した安岡課長
2023年11月28日、サウジアラビアで開かれたアジアパラリンピック委員会(以下、AsPC)の総会で理事選挙が行われ、日本パラリンピック委員会(JPC)職員の安岡由恵(なおえ)課長がメンバーアットラージ(特定の役職を持たない理事)に当選した。2027年に開催予定のAsPC総会まで任期を務める。
安岡課長はかつて、社会福祉法人太陽の家に勤め、フェスピック連盟(フェスピック=旧称:極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)の日本事務局として1994年の北京大会、1999年のバンコク大会の組織委員会との調整などに関わった。2001年からJPCの国際渉外業務に当たり、国際パラリンピック委員会(IPC)やAsPCといった国際統括組織、また各国のパラリンピック委員会(NPC)との連携業務を行ってきたほか、アジアにおける女性アスリートの地位向上を目指した活動やIPC公認教材『I‘mPOSSIBLE』日本版の制作・普及など、幅広い事業に携わってきた。
今回の選挙のキャンペーン中には、杭州2022アジアパラ競技大会が開催され、現地では安岡課長が長年にわたってパラスポーツを通じた共生社会推進に取り組んできた姿を知る各国のNPCの人々から、多くの応援が寄せられたという。「アジア地域に貢献している国の人が理事になるべきだ、と背中を押していただいた。日本がそう評価されていたことが嬉しかったし、私を育ててくれたアジアに恩返しをしたいと改めて感じた」と、安岡課長は振り返る。
任期中は、愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会が開かれる予定で、大会成功が任期中の最大のミッションと位置づける。大会組織委員会は選手村の建設取りやめを決定しており、各国の選手団に混乱が生じる懸念がある。安岡課長は「私たちは厳しい課題にチャレンジしていくことになる。成功に向けて、各国NPCとAsPCの架け橋として尽力していく」と、言葉に力を込める。
(MA SPORTS)