パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2026年4月13日

パラアイスホッケー 鵜飼祥生選手

飛躍のカギ握る若き主砲「点を入れてチームの勝ちにつなげたい」


チームの主軸として活躍が期待される鵜飼

パラアイスホッケー日本代表が、2大会ぶりにパラリンピックに出場する。昨年11月のミラノ・コルティナ2026パラリンピック最終予選で、日本の出場権獲得に大きく貢献したのが、20歳の鵜飼祥生(東海アイスアークス)だ。1敗で迎えた第2戦では、最上位ランキングのスロバキアを相手に、無得点の膠着状態から先制点を奪い、試合を動かした。また、全5試合でチーム最多の7ゴールを挙げ、存在感を示した。持ち味のボディチェックと鋭い得点感覚をさらに磨き、初出場のパラリンピックを見据える。

2006年生まれ、岐阜県多治見市出身。柔道に取り組んでいた小学6年の時に右大腿骨壊死を発症し、骨の一部を切除する手術を受け、下肢に障がいが残った。高校時代に選手発掘事業のJ-STARプロジェクト(5期生)に参加し、2022年に競技を開始。柔道経験と高い運動能力を背景に、“氷上の格闘技”とも呼ばれる激しいボディチェックにも「恐怖心はなく、面白いと感じた」と振り返る。急速に頭角を現し、競技歴1年半で日本代表入りを果たした。

同じJ-STARプロジェクト出身で同い年の森崎天夢(北海道ベアーズ)や16歳の河原優星(東海アイスアークス)、そして新世代エースとして期待される同じく20歳の伊藤樹(ロスパーダ関西)も、ミラノ・コルティナ2026大会の代表メンバーに名を連ねた。仲間でありライバルでもある存在が身近にいたことに加え、大学を辞めてホッケーの本場・アメリカで武者修行した経験も、成長を後押しした。

今年1月のイタリア・トリノ遠征では、パラリンピックで対戦するチェコ、スロバキアと試合を行った。日本チームがフルメンバーでなかったこともあり完敗したが、ゲームメークを任されるなど貴重な経験を積んだ。鵜飼は「力負けはしなかったが、ホッケーIQで差を感じた。それに気づけたことがパラリンピックにつながる収穫だった」と前を向く。日本代表の飛躍を担う若き司令塔は、チームの“軸”として、自分と仲間の力を信じ、世界最高峰の舞台に挑む。

(MA SPORTS)