アルペンスキー 鈴木猛史選手
12年ぶりメダル獲得のベテラン「より複雑な斜面変化に対応する力をつけたい」
男子回転で銅メダルを獲得し、表彰台で笑顔を見せる鈴木
ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会のアルペンスキー男子回転・座位クラスで、銅メダルを獲得した鈴木猛史(カヤバ)。ソチ2014大会以来となるパラリンピック表彰台で、通算4個目のメダルを手にした鈴木は、喜びをかみしめた。
回転は大会最終日に行われた。それまで4種目連続で入賞しながらもメダルには届いていなかった。2018年平昌大会、2022年北京大会は気負いから途中棄権を経験したが、今回は「失敗しても納得ができる全力の滑りをしようと思っていたので、怖さはなかった」と、レース前の心境を明かす。
悪天候と激しい斜面変化により転倒者が続出するなか、鈴木は1本目を3位で終えると、2本目では中腹付近でややバランスを崩しながらも素早く立て直し、全体トップタイムを記録。尊敬する森井大輝(トヨタ自動車)を上回る総合3位となり、複雑な気持ちもあったが、ゴール後は何度もガッツポーズを見せた。
2本目では全体最速となるタイムを出してメダルを死守した
3大会ぶりのメダル獲得は、長年積み重ねてきた技術面とメンタル面の強化の成果でもあった。さらに、地元・福島県の企業と3年かけて共同開発した特製フレームも滑りを支えた。ゴール後に思い浮かんだのはサポートしてくれた人たちの存在だったといい、「チームや、ずっと信じて支えてくれた妻にメダルを見せられることが、本当にうれしかった」と振り返る。
一方で、新たな課題も見えた。今大会はオリンピック級の難コースで、ターンをしながらジャンプする高度な技術も必要とされた。「姿勢を作ってからジャンプするこれまでの技術だけでは通用しなかった部分がある」と分析し、「複雑な斜面変化にも対応できるよう、練習を重ねていきたい」と、さらなる成長を誓う。
来シーズンに向けては技術力向上に加え、次世代選手の発掘・育成にも力を注ぐ考えだ。資金面の課題にも触れながら、「J-STARプロジェクトなどを活用し、より多くの人がアルペンスキーに関心を持つ機会を増やしていきたい」と展望を語る。
(MA SPORTS)
