パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

<<一覧に戻る

2018年10月4日

代表選手ら飛躍誓う!
インドネシア2018アジアパラ競技大会日本代表選手団結団式

6日に開幕する「インドネシア2018アジアパラ競技大会」に出場する日本代表選手団の結団式が2日、都内で行われた。選手や役員、関係者ら約150人が出席した。

ステージ上では団旗授与が行われ、日本パラリンピック委員会の鳥原光憲会長から大前団長を経て、旗手を務める前川に手渡された

結団式を終え、報道陣の取材に応える大前団長(左)、主将の鈴木(中央)、旗手の前川

主将・鈴木「東京パラにつながる重要な大会」

アジアパラ競技大会はインドネシア・ジャカルタで開催。6日に開会式が行われ、13日まで熱戦が繰り広げられる。日本代表選手団は過去最多となる304名を派遣。今大会の選考基準には、2020年東京パラリンピックで「入賞の可能性がある選手」が盛り込まれ、陸上や水泳を中心に、10代や20代前半の多くの若い選手が代表入りしている。
結団式では、主将を務める水泳の鈴木孝幸(GOLDWIN)が、「今まで以上に成績が求められる。2年後に控える東京パラリンピックに向けて重要な大会になるし、競技面だけでなく生活面を含めて最善を尽くしていく」と決意表明した。また、旗手を務める陸上の前川楓(チームKAITEKI)は大前千代子団長から団旗を受け取り、「とても重く、責任を感じる」とコメント。開会式に向けては、「義足でもきれいに歩けるということを見せたい」と意気込みを語った。

車いすテニスは東京パラ出場権をかけた戦いに

大会はパラリンピック種目ではないテンピンボウリング、ローンボウルズ、初採用のチェスも実施される。日本代表選手団は、18競技のうちチェスを除く17競技に出場し、前回の2014年仁川大会で獲得した143個以上のメダル獲得を目指す。

車いすテニスは、男女シングルスの優勝者に東京パラリンピックの出場資格が与えられる重要な大会となる。男子世界ランク1位の国枝慎吾(ユニクロ)、女子世界ランク2位の上地結衣(エイベックス)らも出場を予定しており、注目が集まる。

▼選手のコメントは以下のとおり

「総合大会はリオパラリンピック以来。すごくワクワクしている」と話す卓球の岩渕

岩渕 幸洋(卓球/TT9・両下肢関節機能障害、協和発酵キリン)
「前回の仁川大会時は大学の体育会卓球部の所属だったが、今は実業団でプロに近い形でやらせてもらっている。より期待されていると思うので、結果でその期待に応えたい。来年はアジア選手権を控えていて、アジアのタイトルを獲ることが東京パラへの道になるので、今大会はその前哨戦として頑張ってきたい」

杉村 英孝(ボッチャ/BC2・脳性まひ、伊豆介護センター)
「ボッチャはアジア勢が強く、どこと当たっても強敵。そのなかで、日本チームがどこまで戦えるか確かめる大会でもある。2020年に向けてアジアで戦える機会が大事になるので、いろんなことにチャレンジしたい。目標は金メダル」

東海林 大(水泳/S14・知的障害、三菱商事)
「強豪国と切磋琢磨できるアジアで一番の大会だから、まずは楽しみたい。エントリーは3種目。ライバルは日本の中島選手、そして海外では香港や韓国など強い選手がたくさんいるので、自分を超えるレースをやっていきたい」

成田 真由美(水泳/S5・運動機能障害、横浜サクラスイミング)
「パラリンピックは5回出ているけれど、アジアパラは実は初出場。一種目ずつ悔いないように泳ぎ切りたい。自分の泳ぎがアジアのなかでどのくらいの位置づけになるのか、どのくらい通用するのか、確かめたい」

和田 伸也(陸上/T11・視覚障害、長瀬産業)
「アジアパラは3度目の出場。前回は3種目で優勝できたが、今回は800mがないので、1500mと5000mでは2冠と連覇を目指して、現地入りしてからも最高の準備をしたい。世界選手権やパラリンピックを含めると、12度目の国際大会日本代表になる。9月から所属先を変え、新たな環境になったので、“初心に戻ってスタート”という気持ちで戦ってきたい」

(MA SPORTS)