パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2021年4月22日

パラ代表の座を懸けた戦い! ジャパンパラ競技大会

トップ選手が出場する国内最大級の大会「World Para Athletics公認2021ジャパンパラ陸上競技大会」が4月24日~25日に香川県高松市の屋島レクザムフィールドで、「World Para Swimming公認2021ジャパンパラ水泳競技大会」が5月21日~23日に神奈川県横浜市の横浜国際プールで開かれる。今回は両大会の見どころを紹介する。

4月に香川県で陸上競技、5月に神奈川県で水泳競技のジャパンパラ競技大会が実施される

陸上の日本代表に内定している女子走幅跳(T64)の中西麻耶(阪急交通社)

陸上競技は東京2020パラリンピック競技大会(8月24日開幕)までちょうど4カ月前、水泳競技は3カ月前となるタイミングで開催される。両大会とも、日本代表に近づくための重要な大会だ。まだ内定を得ていない選手にとっては最後のチャンスであり、すでに内定を得ている選手にとっては、現状を確認する貴重な機会となる。それぞれの想いを胸に臨む選手たちの熱い戦いに注目が集まる。

なお、試合の様子は日本障がい者スポーツ協会のYouTubeチャンネルにて生配信される。

【陸上競技】標準記録突破を目指す選手が火花を散らす

東京2020パラリンピック競技大会でトラック・フィールド種目に出場するには、厳しい代表選考基準をクリアする必要がある。その選考プロセスのひとつに「ハイパフォーマンス割当枠の代表推薦選手選考基準の推薦順位上位選手」がある。ハイパフォーマンス標準記録突破期間は2021年6月6日までと設定されており、その期間に実施される今大会で出した突破記録は選考対象となる。

パラリンピック出場を目指し、2019年の世界パラ陸上競技世界選手権大会で4位以内入賞(13名が内定済)、またWPAの「24カ月ランキング」(2019年4月1日~2021年4月1日)で6位以内という条件を満たしていない選手にとっては、今大会が実質的に最後のチャンスとなる。ただし、推薦順位を満たした選手の中から選考委員会が推薦順位を決定するため、すべてのハイパフォーマンス標準記録突破選手がパラリンピックに出場できるわけではない。

この舞台に懸ける選手たちのパフォーマンスは必見だ。

水泳の日本代表に内定している男子視覚障害(S11)の木村敬一(東京ガス)

【水泳競技】代表の座を懸けた一発勝負の選考会

東京2020パラリンピックで、日本は男子14、女子13の計27の出場枠が割り当てられている。今大会は、2019年の世界パラ水泳世界選手権大会で優勝し、すでに内定を得ている視覚障がいの木村敬一(東京ガス)、知的障がいの東海林大(三菱商事)と山口尚秀(四国ガス)を除く、24人の代表選考会とし、メダル獲得の可能性を基準として設定した派遣基準記録を突破した選手が選考される。

昨年8月、日本身体障がい者水泳連盟(現・日本パラ水泳連盟)と日本知的障害者水泳連盟はパラリンピック1年前のリモート会見を行い、日本代表の上垣匠監督は「選考戦は8月のパラリンピック本番の3カ月前のタイミング。その段階ですでに世界と戦えるよう、準備したい」とコメント。また、代表内定を目指す視覚障がいの富田宇宙(日体大大学院)は、「選考戦の5月に一度パラを迎えるつもりで臨み、自己ベストを狙う。そして、その勢いで本番を迎えたい」と意気込みを見せていた。

実績のあるベテランが意地を見せるか、勢いを増す若きスイマーがチャンスをつかみ取るか、注目だ。

(MA SPORTS)