パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2026年5月29日

ワールドトライアスロンパラシリーズ(2026/横浜)

日本勢が表彰台! 初出場の選手も奮闘

世界の強豪が集う「ワールドトライアスロンパラシリーズ(2026/横浜)」のエリートパラ部門が5月16日、横浜市の山下公園をスタート・フィニッシュとする特設会場で開催された。大会には計80人がエントリーし、男女それぞれ6カテゴリーに分かれて熱戦を展開。日本勢は3選手が表彰台に上がる活躍を見せた。

沿道の声援に応えながらゴールに向かう保田

保田が力出し切り、銅メダル獲得!

スイム0.75km、バイク20km、ラン5kmの総距離25.75kmで争う今大会。晴天のもと、多くの観客が沿道から声援を送るなか、熱戦が繰り広げられた。女子PTS2(運動機能障がい)では、保田明日美(SCSK)が3位に入った。スイムを3番手で終えると、バイクで順位を落としたものの、得意のランで巻き返し、1時間17分36秒で表彰台をつかんだ。

2023年に陸上競技から転向した保田は、脚の筋肉のつき方の変化によって競技用義足のフィッティングにやや不安を抱えていたという。それでも、最後までスピードを維持しながら走り切った。ロサンゼルス2028パラリンピック競技大会(以下、ロス2028大会)では、今大会同様の都市型コースが想定され、「今後は直進性に優れるタイムトライアル仕様のバイクも試したい」と語った保田。目標に掲げる最高峰の舞台を見据え、さらなる準備を進めていく。

前回大会3位の秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン)は、スイム、バイクとも好位置を維持したが、最後のランで順位を落とし4位でフィニッシュ。秦は「保田選手から競技用義足の使い方など学ぶところが多い。今日のレースも励みになった」と振り返った。

宇田は4大会ぶり表彰台! 木村も銅メダルを獲得

表彰台で笑顔を見せる宇田

男子PTS4(運動機能障がい)は、前回5位の宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)がランで追い上げ、銅メダルを獲得した。優勝は、パラリンピック2連覇中のアレクシ・アンカンカン(フランス)。唯一54秒台をマークする圧巻のパフォーマンスで頂点に立った。金子慶也(三菱オートリース)は7位だった。同PTWC(車いす)では、木村潤平(Challenge Active Foundation)が安定したレース運びを見せ、昨年に続く3位に入った。

8人がエントリーした同PTVI(視覚障がい)は、樫木亮太(Sky)が自己最高となる4位に食い込んだ。上位3人が各パートで強さを見せるなか、4位以下は混戦に。樫木は終盤まで7番手で粘り、ラン2週目で5位に浮上すると、最後にさらにペースを上げた。「昨年は、疲労がたまるバイク後のランに課題が残った。バイク強化と負荷をかけたラン練習を重ね、今日はその力を出し切れた。最高です」と笑顔を見せた。山田陽介(ジール)は7位だった。

同PTS5(運動機能障がい)は10人がエントリーし、安藤匠海(ニューバランス)が9位、ベテランの佐藤圭一(ジェイテクト)が10位だった。エリートパラ部門は2度目の出場となった安藤は、順位こそ昨年と同じだったものの、各パートでタイムを短縮し、上位選手に迫るパフォーマンスを見せた。「ワールドカップや世界選手権で圧倒された選手たちとの差が縮まっていると感じた。少しは成長できたのかな」と手応えを語った。佐藤も「若い世代が世界のトップ食らいついていく姿を見て、自分のことのように嬉しかった」と後輩の成長を喜んだ。

また、同PTS2(運動機能障がい)では、中山賢史朗(東京ガスネットワーク)が5位だった。

他競技パラアスリートもトライアスロンに挑戦

竹内(左)は初出場ながら6位と健闘した

今大会では、競技の枠を超えて挑戦する選手たちの姿も注目を集めた。8人がエントリーした女子PTVI(視覚障がい)では、竹内真子(大阪府トライアスロン協会)が6位と健闘した。竹内はブラインドサッカーの日本代表としても活躍し、4月のアジア選手権にも出場。シャトルランやストップ&ゴーといったブラインドサッカーのトレーニングが、トライアスロンで必要な筋力強化にもつながると考え、意識して取り組んできたという。「ブラインドサッカーは心拍がすぐ下がるけれど、トライアスロンは高い状態が続くからきつい。ただ、少し休めばまた動けるというのが強み。ロス2028大会出場に向けて、またしっかり練習していきたい」と力強く前を見据えた。

同PTWC(車いす)では、船水梓緒里(KINTO)が7位だった。車いすテニスプレーヤーとしてグランドスラム出場経験を持つ船水は、同じ車いすクラスの男子の木村との出会いもあり、昨年からトライアスロンにも挑戦している。対人競技とは異なる達成感を求めて臨んだ今大会は、パラリンピック出場経験がある世界のトップ選手とレースで「駆け引きすることを楽しみにしていた」と明かす。結果はスイムで差をつけられ、バイク、ランでもリードを広げられて最下位となったが、「ベストは尽くせたし、挑戦したことへの自信は得られた」と、晴れやかな表情を見せた。

(MA SPORTS)