東京2020パラリンピック競技大会にて金メダルを獲得した山口尚秀選手(競泳男子100m平泳ぎ、知的障がいSB14)が9月1日、記者会見に出席し、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。
Q:メダルを獲得されて改めてのご感想をお願いします。
こうして金メダルを獲得したということと、同時に自身が保持している世界記録を更新したということ、2つの課題を達成したことは、私自身うれしく思っているし、これまで大会に向けてトレーニングや体の調整をしっかり整えてきたんだなと思います。
Q:バタフライでも活躍があり、金メダルをとった平泳ぎでも活躍があり、山口選手にとって今大会は、改めて振り返ってどんな大会でしたか?
最初に出場した100mバタフライは4位という結果でメダルにはもう一歩の段階だったのですが、それでも悔いはなかったし、本命の平泳ぎに向けて気持ちの面でもしっかり切り替えて取り組んでいったので、どんどん次へ次へと向かっていくという気持ちで取り組んでいきました。
Q:昨日疲れもたまっているというお話もありましたが、パラリンピックが終わった後、今一番何をしたいですか?
今後競技をしていくためにどういったことが必要か、今後自己ベストを更新していくためにも、まずはしっかり体を休めてから次に備えていきたいなと考えています。
Q:今大会、好成績を残すことができた理由はどこにあると思いますか?効果が出た練習メニューがあったら教えてください。
私はプルが苦手で、腕の力をもっとしっかりつけていかなければならないので、私としてはプルをしっかり強化をしていって、平泳ぎではワンストローク、ワンキックをしっかり交互にスムーズにつなげていけるよう取り組む練習をしました。
Q:体がすごく大きくなったように思いますが、体づくりの面ではいかがでしょうか?
ウェイトトレーニングをはさむ機会もできたので、食事の量も考えてきたし、筋肉の量も増加したのではないかと思っています。
Q:ふるさとの愛媛県の皆さんが、山口選手が帰ってくるのを楽しみに待っていると思いますが、改めて愛媛県への思いを聞かせてください。
愛媛県は自然に満ちた環境で、なによりも空気が美味しいことだったりとか、一人一人が地元を愛しているんだなと思っています。
Q:その愛媛の人に金メダルとったことをどう報告したいですか?
愛媛の県民の皆さんに、日本での東京オリンピック・パラリンピックでの成果が出たことを発信できる機会ができたのではと思っています。
Q:地元の山口選手を支えてくれたご家族やコーチなど、支えてくれた人への感謝の思いを聞かせてください。
コロナ禍でいろんな制限がされた中での東京オリンピック・パラリンピックで、原則無観客というかたちではあったのですが、テレビ観戦などで見た人たちにも、スポーツにおけるすばらしさや、障がいのある人における原動力になれるようなきっかけを発信できたのではないかなと思っています。
ただ、こうして理解してくれていた方がいたからこそ、こうして1分3秒台が出せたと思っているし、安全安心に近い大会ができたのではないかなと考えています。
Q:当面は体を休めたいとおっしゃっていましたが、3年後のパリは見据えていますか?
パリ大会までは一年間縮まったこともあり、3年後に開催されることになります。私に限らず他の選手も焦りが出てしまうと思うので、3年間どういった生活をしていくのかを、しっかり考えて取り組んでいくことがベストではないかなと思います。
Q:今回本命の平泳ぎで1分3秒台が出せました。山口選手のイメージではどれくらいまでタイムが伸ばせる感触がありますか?
私はどんどん早くなっていく実感がありますが、具体的な記録的な数値は分かりかねます。ただ、今後もう少し基礎的なことを考えたり、一つ一つの動作を改善していくことでもっと早い記録が出るのではないかなと思っています。
Q:世界新記録の金メダルという見事な泳ぎは、コロナ禍での調整が難しい、多くの人たちの心を動かしたと思います。ご自身へのご褒美があれば教えてください。食べたいものがあればあわせてお伺いしたいです。
食べたいものですか。唐揚げは食べたいと思っています。マヨネーズかけて。
(ご褒美は)ちょっとお昼寝したいなと思っています。まずは。
練習や選手村との移動が多かったので、たまには思いっきり休んで次に備えていきたいなと思います。