一緒にスポーツを楽しみながら、
医師としてサポート
パラスポーツ医 和田 恵美子
- 活動地
- 高知県
- 所属
- 近森リハビリテーション病院/
リハビリテーション科専門医・義肢装具等適合判定医
Q. 現在どのような活動をしていますか?
月に一度、障害者スポーツセンターで行われている障がい児のヨガサークルや、不定期の障がい者アーチェリーのサークルに参加しています。昨年はパラスポーツ指導員の研修で障がいについての講義も行いました。
Q. 受講のきっかけは?
長年私の外来で両側長下肢装具での歩行練習をしていた患者さんが、車いす卓球を始めたことで体幹機能が改善し、訓練での歩行もよくなりました。楽しんで取り組めるスポーツをすることで身体機能が改善することがよくわかりました。患者さんは県外の試合などにも参加していましたが、クラス分けなどの話をきき、私も役に立てることがあればと考えてパラスポーツ医の講習を受講しました。
Q. 資格取得後の変化について
大学時代に経験したことのあるアーチェリーを、外来通院中の患者さんが始めることになり、一緒にやろうと誘われて休日にアーチェリー場で集まるようになりました。また重度障がい児のヨガサークルは、気管切開や酸素投与中の方が参加されるので、医療関係者がいて欲しいと依頼されて参加しています。パラスポーツ医の資格をとったことで、いろいろなスポーツがあることや、障がいのクラス分けについても勉強できました。障害者スポーツセンターの職員さんも声をかけてくれるようになりました。
Q. 活動現場で感じるやりがいや喜びは何ですか?
障がいのあるなしに関係なく、初心者なので教えてもらう立場です。私より、車いすや片麻痺の方のほうが強い弓が引けるなど、体幹が安定しているのを見て、自分も頑張ろうと筋トレするようになりました。アーチェリーは障がいがある方と同じルールの下で競えるのが面白いなと思います。車いすや装具の工夫、スコープを車いすに設置する方法を一緒に考えるなど、リハビリテーション科の専門分野がいかせてやりがいを感じます。
Q. 指導現場での留意点や心がけていることはありますか?
障がいをもったあとに、スポーツをやろうという気持ちになれるお手伝いができればと考えています。障がいに合わせたスポーツを紹介できるように、いろいろなスポーツの場面を見学し、外来などでも声をかけるようにしています。自分がスポーツの現場にいることで、訪れやすくなるといいなと思っています。
Q. 指導現場で感じる課題はありますか?
スポーツ用の車いすや装具は、自費になってしまうという金銭的な面や、スポーツセンターなどが遠方にあり、公共交通機関も不自由なので参加しにくいことが課題です。最近は本業が忙しく、自分の時間をとれなくて参加できないこともあります。
Q. 今後どのように資格を活かしたいですか?
スポーツを楽しむ方の装具や、車いすの相談に乗れる機会があればと思っています。今年はパラリンピックもあるので、ぜひ何かしらの形で参加したいです。