車いすラグビーは四肢まひ者など、比較的重い障がいのある人が競技できるチームスポーツとして考案された。車いす同士のぶつかり合いが許された唯一のパラリンピック競技で、その激しさでかつては「マーダーボール(殺人球技)」と呼ばれていた歴史もある。
男女混合で1チームは最大12名で編成され、コート上には4名が出場する。選手は障がいの程度によって0.5点〜3.5点(0.5点きざみで数字が大きいほど障がいが軽度)までの持ち点が与えられ、コート上でプレーする4人の選手の合計が8.0点以内でチームを編成しなければいけない「ポイント制度」がある。
コートはバスケットボールと同じサイズで、バレーボール球を参考に開発された専用球を使用し、蹴ること以外の方法でボールを運ぶことができる(投げる、打つ、ドリブル、転がすなど)。通常のラグビーと違って前方へのパスが認められており、ボールを保持して2つのパイロン間のトライラインを越えると得点となる。ただし、膝に乗せて運ぶときは10秒に1度、ドリブルをするか、パスをしなければならない。
激しくぶつかり合うための競技用車いすは、装甲車のような見た目をしている。機敏な動きを可能にするため、タイヤはハの字型に取り付けられていて、タックルからの保護やひっかかる部分を減らす目的で、スポークカバーを装着している。競技用車いすの形状は、コンパクトで丸みを帯びた攻撃型と、相手をブロックするためにバンパーが突き出した守備型の2つがある。
四肢障がい(四肢まひ、四肢欠損など)
Paralympic Sport A-Z
(車いすラグビー)